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シンボルの解釈『究極のサビアン占星学』(魔女の家ブックス刊)を併読してください。
 
エリーズ3度

<テーマ> アイデンティティの確立
<シンボル> 男の横顔を施したカメオが自国の状態を示す

前度数からの流れでいえば、宇宙の存在であった我々は狭い民族、それぞれの社会の存在になり果て、そのアイデンティティに生きる。霊は形骸化する。それが我々のよろこびであり、戦いの動機になる。

よほどの霊化の努力をしないと宇宙で生き残るのが難しい人種かもしれない。人間そのものが、反キリストの衝動ともいえる。キリストの顔を彫らずに、つまらない平凡な人間の顔を彫って相互慰撫をしたがる―社会とは愚者の祭典なのか。このシンボルはそれを突きつけている。

それともそうしたものに幼児は最初から拘束される、と教えているのか。幼児がたちまち受験社会に巻き込まれるのだから、それもそうだろう。カメオは天然石の自然を失い、人間の思考に犯されているように映る。

誰も自然には生きられないような遺伝子です、と宣言されている度数だ。


エリーズ4度

<テーマ> 性愛もしくはグループへの同化
<シンボル> 恋人たちが人目にふれない散歩道を歩んでいる

この度数のことでかつて私は『究極のサビアン占星学』で、「タロットの恋人」の解釈として、「魂は別れ道に来て地獄に通じる左の道か、幸せに行く右の道のどちらかを選ばなければならない、恋人とは常に我々の意識の闇の救世主か屠殺人である」と書いた。

シンボルの訳としては、「人目に触れない」というのはむしろ「秘密の」と訳すべきかもしれない。その訳を取れば、この度数は深層意識における欲望や願望に関わると結論すべきかもしれない。あるいは渇愛だ。

この度数はすべての性的指向性―普通の不倫からSM、ホモ、レズなどと趣味的グループへの同化を360度の中で一手に引き受けている。そうした現象的当たり方もさることながら、その深層部分のほうが面白い。

それを知るためには我々がサビアンシミュレーションという方法で調査するとよい。この度数の4を+-して、アングル、ノードを含んで全惑星を調べるのだが、アングルの場合はなぜこのような親を選択したか、ノードは霊体の闇か光のようなものが示される。

男女関係や性愛の隠されたリビドー傾向を調べる場合は金星、火星だが、シンボルはそうした性愛がもたらす現象なり、異常性欲が示されるのではないようだ。それを調査するのはネイタルのアスペクトになるのだが、ほとんど正確ではない。なぜなのかと思うが、そのことは別の機会に検討しよう。

4度におけるシミュレーションの冥王星、海王星では隠された霊のテーマが示され、太陽、天王星ではエゴの願望や意志が解明されることがあるが、冥王星はあまりに重要であろう。この度数のもつリビドー的な側面を超えて、ほとんど神の命令と感じることがある。

問題はトロピカルが正しいか、サイドリアルが正しいかだがそれは深く掘り下げて自分で洞察しなければならない。その探索が貴重な度数である。この度数のシミュレーションが個人の愛情生活を示唆するのなら、運命はすべて決められているのか、と思わせる。